看護学校新設ラッシュ!将来的に人が余る可能性も?
看護学校新設ラッシュ!将来的に人が余る可能性も?
ここ数年、大学での看護学科・学部の新設が相次いでいることを知っていますか?
看護系学科を設置している大学は、1991年度は11校しかありませんでしたが、2014年度では226校にまで増えているのです。
現在の看護師の就業状況では、慢性的な人員不足に悩まされています。
大学での学科新設ラッシュを受けて、この看護師不足はどのように変化していくのでしょう。
なぜ新設ラッシュ?大学における看護系学科の意味
看護系学科を設置する大学は毎年約10校のペースで増加しています。
日本の4年制大学はトータルで約770校ありますが、およそ4分の1の学校に看護系学科があるということになります。
これらの大学にはもともと看護系の大学であった学校ももちろん含まれますが、学科新設校の多くは、看護とはこれまで縁のなかった大学も少なくありません。
例えば上智大学は2011年度に看護学科を新設しましたが、上智大学=看護というイメージのある人はあまりいなかったのではないでしょうか。
多くの大学がなぜ看護学科を新設したかといえば、二つの要因が挙げられます。
「看護師の人材需要に対応し、社会貢献を果たすため」
「少子化による学生数の減少に対応し、より多くの学生を獲得するため」
つまり、大学は既存の学部だけではこれまでのように学生を集められないので、新たな学科を開設することで学生を呼び戻したいのです。
学科新設ラッシュは看護師不足を解消できるのか
確かに看護師になるための学校が増えれば、看護師を志す学生も多くなるかもしれません。
しかし、学校に行きさえすれば看護師になれるわけではありません。
国家試験に合格することが絶対条件なのです。
看護系学科を新設した大学のうち、ごく一部ではありますが、国家試験の合格率が低いところがあります。
本来看護師の国家試験合格率はほぼ100%といわれていますが、こうした合格率の低い学校では十分な看護教育ができていない可能性もあるのです。
また、看護系学科を新設したものの学生が集まらないというケースもあり、学校数が増えれば看護師が増える、とは一概に言い切れない部分もあるようです。
とはいえ、大学や国の支援を受けて年々看護師の全体数は増加しています。
あるデータによると、このまま看護師の数が増え続けると、約10年後には病院勤務の看護師は飽和状態になり、看護師が余ってしまう可能性があるという結果も出ているのです。
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